冬は製菓の機会が増える。これから、クリスマスに正月、そしてバレンタインと怒濤のスケジュールがやって来る。今季初のクリスマスケーキは、オレンジピー ルとアールグレイティーを加えたパウンド生地。バターと砂糖を練り、溶き卵を加え泡立てたもの。いつもはパウンド型やマーガレット型などで大きく焼く所 を、大人数宛なので、小分けに焼いて個包装。取り分けやすいし、この時期はクリスマスデザインの製菓用品もたくさん出回っている。ツリーと雪だるまプリン トのベーキングカップは演出にも使えて、持ち運びの際もケーキが壊れにくいのだ。
少し生地が余ったので、ついでに一緒に焼いておいた。一 般的にパウンドケーキやマドレーヌなど、バターケーキは一晩置いてから頂くのが定説。寝かせることで生地が落ち着き、しっとりと仕上がる。しかし、焼きた ては表面がカリッと、中はふんわりしていて、まるで別物の美味しさなのだ。但し、その味わいを楽しめるのはオーブンから出した30分以内限定(時間を過ぎ た場合は諦めて翌日まで待った方がいい)。大急ぎで紅茶のお湯を沸かす。
部屋には甘い香り、焼いたものだけの特権を味わう。さあ、クリスマスが今年も、やって来る。